いろんな種類のハット帽

帽子に関する言葉は、日本文化に定着していないため、一つの言葉がいろいろな意味で使われることがあります。特に、ハットは歴史が長く用語の種類も多いため混乱するような言葉遣いが見られることも。本来なら形や素材・飾りで分けて使われるべき言葉が、実際は形のみを指す言葉として使われています。

なので、「カッチカチに固いソフト帽」「麦わらじゃない麦わら帽」といった不思議な帽子もあります(14+でも、お客様への説明をわかりやすくするためにこのような言葉遣いをすることがあります)

クロッシェ

つばの短いベルみたいな形のハット。女性の帽子です。大正時代のモガとかがかぶってました。クラシックで落ち着いた雰囲気のするハットです。

キャペリン

カペリン・カプリーヌとも呼ぶハットです。つば広で、少しつばが下がった帽子。アシーナ・ニューヨークで有名なハット。女性の帽子です。女優帽と呼ばれるハットです。つばが広いハットなので、UVハットに多く見られる形となっています。

中折れ帽

中折れと呼ばれる、天井に独特の型があるハット。柔らかい男性用ハット(ソフト帽)を摘んだ時にできるシワや、ボーラーハットを凹ませた時にできる溝が元になっています。ボルサリーノで有名なハットです。

中折れ帽についてはこちらでも詳しく説明しています。

ソフト帽

柔らかいフェルト製の帽子ですが、中折れ帽全体を指すこともあります(中折れというカタチの一部がそもそもソフト帽由来のため)。なので、ソフト帽という名前なのにめちゃくちゃ固い帽子もあります。正統派の帽子を扱う高級店以外では、中折れ帽と同義語と考えていただいてほぼ問題ありません

チロリアンハット

中折れハットの一種。つばは前下り後ろ上がりで狭い帽子です。リボンの代わりに紐を巻きます。カジュアル専用の中折れハットで、気軽な雰囲気です。

ホンブルグ

中折れハットの一種です。中折れ帽と同義語として使われることもありますが、本来はツマミがなくツバは全周上がっているハットです。ボーラーハットの中央を凹ませたのが由来となっています。本来はハードハットに分類される、硬い素材の帽子です。

フェドーラ

中折れ帽の一種です。中折れハットと呼ばれて思い浮かぶ最もスタンダードな、前下がり後ろ上がりのツバ&つまみとセンタークリースのある中折れを備えたハットのことです。たいていのケースでは中折れ帽と同義語だと思っていただいて問題ありません。本来はフェルトの帽子です。

トリルビー

ただ単に中折れ帽と同義語として使われている場合もありますが、本来は極端な前下がり後ろ上がりの角度がついた狭いつばの中折れハットのことです。本来は茶色いフェルトの帽子ですが、今では様々な色・素材のハットがあります。

ミルキーハット

中折れ帽の一種で、フェルト・麦わらなどとは違い「布を縫って」作ってあるもの全体を指します。コットン製のハットのみを指すこともあります。

ポークパイハット

トップが平たいのが特徴の帽子。元は女性用のハットでしたが、今の日本では男性に好まれやすいハットです。ポークパイに似た形なのが由来。天井の凹凸がそっくり。お腹の空く名前ですね。ポークパイハットについては以下の記事でもう少し詳しく触れておりますのでぜひ御覧ください。

ポークパイハット

ボーラーハット

天井の丸い帽子。古くは男性のフォーマルウェアに合わせるハットでした。今の日本では女性に好まれるハットになっていますが、男性がかぶってもフォーマルすぎずカジュアルすぎず使いやすくていいハットです。チャップリンの帽子です。チャップリンのはかなり深いです。

ボーラーハットについてはこちらでも詳しく説明しています。

麦わら帽子

本来なら麦わらの帽子を指しますが、見た目麦わら帽子と同じ、植物の繊維を編んだ帽子を全面的に指すことが多いです。見た目重視の分類なので素材は多岐にわたり、麦わら・麻・ラフィアの他、ペーパーやポリエステルなどの帽子もあります。たいていは水に弱く、折りたたみもできない帽子がほとんどです。

ペーパーハット

見た目麦わら帽子ですが実はペーパー製の帽子。「紙?!」と驚かれることもありますが、植物の繊維を加工した素材と考えていただければ納得いただけると思います。水に弱い帽子がほとんどです。さらにキャップ型の帽子もペーパー「ハット」と呼ぶことも。大抵はかなり安価で、天然素材と比べて色ムラや個体差がほとんどないのが長所です。

パナマハット

パナマ草でできたハット。パナマ運河が名前の由来ですが、エクアドルの帽子です。高品質のハットはたためます。定番のパナマハットに似た形のペーパーハットを「パナマハット」として売っている場合もあるため、素材は要確認!「本パナマ」と書かれていればほぼ間違いなく正統なパナマハットです。

カンカン帽

天井とブリムが平らな麦わらハット。ポークパイハットに形が似ていますが、もっと真っ平なハットです。「カンカンと音が出るほど固いハット」なのでカンカン帽。元は水夫の被る帽子だったため、多少の濡れに耐えられるよう頑丈に作られています。海外ではキャノチェ・ボーターとも呼びます。

マウンテンハット

ツバは水平で、クラウンが細長くいびつにへこませてある個性的なハットのことです。なかなか由来がわからないのですが、有名なのはヴィヴィアン・ウエストウッドのハットで、近年ではファレル・ウィリアムスがかぶっていたことでヒットしました。

バケットハット

「バケツのようなハット」という意味です。柔らかい布製の平らなクラウンの帽子で、下がり気味の短いつばが特徴です。アイルランド農民や漁民が着用していたハットが由来とされています。元々は脱脂していない羊毛で作られたハットでしたが、今はコットンのキャンバスやデニムなどで作るのが一般的です。

アドベンチャーハット

かなり意味が幅広く、あご紐がついた柔らかい布のつば広ハットを指す場合もあれば、テンガロンハットやバケットハットなども含むこともあります。いずれも柔らかい布製の帽子で、日よけに向いたものが多いです。

アドベンチャーハット・サファリハットについてはこちらでも詳しく説明しています。

テンガロンハット

10ガロンの水が入る帽子…ではありません。10ガロンは約40リットル=牛乳パック40本分なので入りません。諸説あるようですが、スペイン語由来のようです。両サイドが上がったつば広の中折れハットを差します。

カウボーイハット

テンガロンハットを指すことがほとんどですが、本来のカウボーイハットはあれほどツバの巻き上がったものではなく、また中折れハットよりもかなり縦長のクラウンだったようです。現代のテンガロンハットは映画撮影やおしゃれ用にデザインが改良されたものです。

セーラーハット

水兵・海軍・船乗りのかぶっていた帽子が女性用に改良された帽子です。広いつばが水平か、上向きに上がっているのが特徴のハット。ツバ広ハットなので日よけやUV対策に向いており、なおかつ視界が広いのが特徴です。

メトロハット

バケットハットのクラウンのトップを丸くしたようなカジュアルハット。ツバは下にさがり気味です。元は海軍や船員の帽子で、セーラーハットの一種です。普通は帽子のつばを下げてかぶりますが、船員がかぶるときはツバをあげてかぶります。

アルペンハット

ツバが前下がり・後ろ上がりのスナップブリム型で中折れ帽によく似ていますが、クラウンの天井が中折れではなく平らになっています。中折れよりもカジュアルで、かぶり心地も比較的良いです。

チューリップハット

クラウンとツバが一体化して境目のない、逆三角形のハット。のっぽさんの帽子です。女性に好まれやすいです。チューリップを逆さまにしたよう帽子であるためこの名前がつきました。

ブルトンハット

前上がり・後ろ下がりの帽子。もしくは、そういうふうふうにかぶれる帽子。本来はセーラハットと同じつばが全上がりの帽子を指していましたが、日本でそのような意味での使われ方をすることはまずありません。

フロッピーハット

最近の帽子用語で、「フロッピー=柔らかい・だらんとした」という意味。つばが広くて柔らかくたわむようなハットを差します。

ハット選び(つば)

身長が低い方はつばが長すぎるハットを選ぶとアンバランスです。顔の大きな方だと、顔の大きさを強調するつばの短いハットがアウト。キャペリンはつばの広がりがないので、つばが長い割にバランスが取りやすい帽子です。日よけ効果を期待する場合は、つばが7cm以上のハットがおすすめです。自転車で使われるなど、視界を確保したい場合はつばにワイヤーが入ったハットを選ぶと良いです。

ハット選び(飾り)

キャペリンハットやクロッシェハットだと、大きな蝶々リボンやコサージュなどがついているものもあります。たまにリボンが付いていないこともありますが(特に安価の物)、中折れハットやボーラーハットは、大抵1週リボンが巻かれています。チロリアンハットだと紐になります。

男性にはリボンの結んでいる部分が平らに潰されたものがおすすめ。 リボン部分は大抵ちょこっと縫い止めてあるだけなので、裁縫のできる方は取り替えても良いです。「帽子 リメイク リボン」で検索するとブログとかヒットします。コサージュやワッペン・ロゼットとの相性もいいので、シンプルなハットを購入してその日のコーディネートに合わせてつけてみるのもオススメです。

ハット選び(素材)

冬物のハットは、やはりフェルトが一般的です。

夏物や通年物のハットの中にはコットンや麻などの素材のハットもあります。フェルトのハットはフォーマル感があり、コットンや麻のものだとカジュアルな雰囲気に。フォーマル感を重視したいなら黒のハットを選ぶと◎。

昨今のナチュラル志向の中、麦わら帽子はラフィアなどの天然素材などがベストと思われがちですが、実際はカビる・臭う(牧場に行った時の臭い)・たためない・洗えないなどの難点もあり、扱いに気をつけなければいけません。風合いに多少の差はありますが、綿・麻・ポリエステルのハットだと多少荒っぽく扱えます。

サイズ調整

スベリに紐が付いていて、サイズ調整ができるハットも多いです。サイズ調整は大抵「小さくできる」という意味なので、表記より大きくは出来ません。フェルトの帽子なら、器具を使って1cmぐらい大きく出来ます(当店のネットショップでは未対応です)。ほとんどの帽子にスベリが付いているので、サイズ調整テープが使えます。ニットやスエットなど、伸縮がある素材のハットは、ほぼないです。固い素材のハットだと、いつもと同じサイズが窮屈に感じられることがあります。着心地が窮屈な場合はワンサイズ大きめのハットを選ぶと良いです。

ハットのお手入れ方法

中折れ帽やボーラーハットはカタチを決めてある物が多く、カタチを崩さないようにする必要が有るため洗えない・たためないハットがほとんどです。持ち運び時にはバッグに入れられる大きさでもないので、クリップの付いたストラップを鞄につけてハットを下げられるようにしておくと持ち運びに便利です。クリップは見た目さえ気にしなければ、100円均一のもので十分。

その他のハットでも、立体的なカタチをしているのでフェルト製ハットや麦わら帽子はたためないハットがほとんどです。洗える・たためるハットとなると、綿やポリエステルの「縫っている」タイプの帽子が候補になってきます。キャペリンハットには洗えるものがちらほらあります。

こちらも参考にどうぞ。帽子の手入れについて