朝晩の空気がひんやりして、クローゼットの奥からコートを出したくなる頃。街で見かけるフェルトハットのコーデに惹かれつつも、なかなか手が伸びない。「気取って見えそう」「自分には似合わないかも」と感じている人もいるのではないでしょうか。
フェルトハットは、形と色、かぶり方のポイントを押さえると、いつものコートやニットにもなじませやすい帽子です。形と色、かぶり方。この三つを押さえると、ハットはぐっと身近になります。アイテム別のコーデと、長く使うためのお手入れもあわせて見ていきましょう。
フェルトハットは、きれいめな印象と秋冬らしい素材感が魅力の帽子です。丸みのあるボーラーハットやベル型はカジュアルな服にもなじみ、中折れハットはきちんとした印象になりやすい形です。色は黒・キャメル・グレー・ベージュから、手持ちのアウターに合わせて選ぶと迷いにくくなります。深くかぶりすぎず、ほかの小物を控えめにすると気取った印象がやわらぎます。水に弱いので、雨の日の扱いとブラッシングも覚えておきましょう。
フェルトハットとは?秋冬に選ばれる理由
フェルトハットとは、羊毛などの動物の毛を絡ませて圧縮したフェルトでつくられたハットのことです。縫い目のない生地を立体的に成形してつくるため、クラウン(頭が入る部分)やつばを自由な形に仕上げられるのが特徴です。
秋冬にこのハットが選ばれるのには、いくつかの理由があります。
- きれいめな印象になりやすい: 同じハットでも、コットンや麻に比べて、フェルトはきれいめな雰囲気に寄りやすい素材です。
- コートやジャケットになじむ: ウールのコートと素材の重さがそろい、全体がまとまって見えます。
- 季節感が出る: フェルトならではのやわらかな質感は、見た目にも秋冬らしさを添えてくれます。
ただし、ウールフェルトは暖かい時期には向きません。取り入れる時期の目安は、秋の帽子の素材切り替えガイドで詳しく紹介しています。コートを羽織る日が増えてきたら、取り入れどきです。
大人に似合うフェルトハットの形の選び方
ハットは形によって印象が大きく変わります。まずは「どんな雰囲気にしたいか」を決めて、形を選んでみてください。
| 形 | 特徴 | 印象 | 合わせやすいコーデ |
|---|---|---|---|
| 中折れハット | トップの中央にへこみがある | きちんと、クラシカル | ジャケット、トレンチコートなどのきれいめな装い |
| ボーラーハット | 丸い半球形のトップと短めのつば | きちんと感もカジュアルさもある | ニット、デニム、きれいめカジュアル |
| クローシュ(ベル型) | ベルのような丸みのある形 | フェミニン | ロングスカート、ニットワンピース |
| カンカン帽(フェルト製) | 平らなトップと平らなつば | すっきり、上品 | ウールのコート、きれいめカジュアル |
| ポークパイハット | 低く平らなトップと狭いつば | こなれた雰囲気 | きれいめにもカジュアルにも |
はじめての一つなら、丸みのある形から
「ハットは気取って見えそう」と感じるなら、ボーラーハットやベル型など丸みのある形から始めると取り入れやすいでしょう。ニットやデニムといったふだんの服にもなじむ形です。ただし、えらが張ったベース型の輪郭の人は、丸さで輪郭が強調されることもあります。カンカン帽は本来麦わらでつくる帽子ですが、フェルトでつくった秋冬向けのものもあります。すっきりした形が好きな人に向いています。
顔型とのバランスも参考に
形選びでは、顔まわりのバランスも参考になります。たとえば丸顔さんには、丸みのある形や浅めでつばが短めのもの。面長さんには、ポークパイハットのように高さを抑えた形が取り入れやすいとされています。顔型ごとの詳しい選び方は顔型別でわかるハットの選び方を、形そのものの違いはハットの種類とは?をあわせてご覧ください。
フェルトハットの色の選び方
ハットの色は、まず手持ちのアウターの色を思い浮かべて選ぶと失敗しにくくなります。ここでは秋冬に取り入れやすい4色を紹介します。
黒 — 多くの服に合わせやすく、きれいめに
黒のハットは、コートの色を選びにくく、合わせやすい色です。黒やネイビーのコートなら全体が引き締まり、ベージュやキャメルのコートなら程よいアクセントになります。最初の一つとしても選びやすい色です。
キャメル・ブラウン — 秋らしく、やわらかな雰囲気に
キャメルやブラウンは、秋冬の装いにやさしくなじむ色です。ベージュのトレンチコートやアイボリーのニットと合わせると、ワントーンの穏やかなコーデにまとまります。黒よりも軽い印象にしたい日に向いています。
グレー — モノトーンにもベージュにもなじむ中間色
グレーは、黒・白のモノトーンにも、ベージュやブラウンにも合わせやすい色です。落ち着いた雰囲気を保ちつつ、黒ほど強い印象になりにくい色です。持っている服の色が幅広い人にも使いやすいでしょう。
ベージュ・アイボリー — 濃い色のコートに明るさを
冬は黒やネイビーなど、濃い色のコートを着る日が増えます。そこにベージュやアイボリーのハットを合わせると、顔の近くに明るい色が加わり、濃い色のコートとの対比が生まれます。重くなりがちな冬のコーデを軽やかに見せたいときに選んでみてください。
帽子の色に迷ったら、靴やバッグと色をそろえるのも手です。離れた場所に同じ色があると、コーデ全体がまとまって見えます。
アイテム別・フェルトハットの秋冬コーデ
コーデのポイントは、服の素材の重さや雰囲気をハットとそろえることです。ここでは、秋冬によく着るアイテムごとに合わせ方を紹介します。
ロングコートには中折れハットやボーラーハットを
チェスターコートやウールのロングコートは、フェルトハットと素材の重さがそろう組み合わせです。きちんと見せたい日は黒の中折れハット、少しやわらかくしたい日はボーラーハットを合わせてみてください。トレンチコートには、キャメルやブラウンのハットを合わせると秋らしい雰囲気に。トレンチコートと帽子の合わせ方は、トレンチコート×帽子で脱マンネリ!でも紹介しています。
ニットにはベル型やポークパイハットでやわらかく
タートルネックのニットには、ベル型のハットを合わせてみてください。ざっくりしたケーブルニットなら、ポークパイハットでこなれた雰囲気を足すのも一案です。ニットもフェルトも秋冬の素材なので、季節感がそろいます。
ワンピースやロングスカートには、ベル型でフェミニンに
ニットワンピースやプリーツスカートには、ベル型を合わせてみてください。ボーラーハットで少しカジュアルに寄せるのも一案です。足元をショートブーツやローファーにすると、大人っぽいバランスに整います。
デニムやスウェットには、ハットで大人っぽさをプラス
デニムにスウェットやパーカーを合わせたカジュアルなコーデも、フェルトハットをひとつ加えると大人っぽい雰囲気に変わります。黒の中折れハットやカンカン帽ですっきりまとめましょう。靴をスニーカーからローファーに替えるなど、足元にもきれいめの要素を足すと、ハットとのバランスがとりやすくなります。
気取って見えない、フェルトハットのかぶり方
「気取って見えるかどうか」は、形や色に加えてかぶり方でも変わります。次のポイントを意識してみてください。
- 深くかぶりすぎない: 中折れハットなどは、トップに頭が軽く当たったら、それ以上は押し込まないのが目安です。丸顔の人は、おでこが少し見えるくらいに前を上げると、すっきりした印象に。面長の人や、クローシュのように深くかぶる形の場合は、深めにかぶってもバランスがとれます。
- つばの角度で印象を調整する: つばを地面と水平にするとクラシカルに、少し後ろへ傾けると軽くやわらかい印象になります。
- 髪で抜け感をつくる: 前髪やサイドの髪を少し出すと、ハットのかっちりした印象がやわらぎます。
- ほかの小物は控えめに: 大ぶりのアクセサリーや柄物のストールを重ねすぎると、全体が気合いの入った印象になりがちです。主役はハットに絞りましょう。
フェルトハットを長くきれいに使うために
手入れをすれば、フェルトハットは何シーズンも使えます。扱いのポイントを押さえておきましょう。
- ブラッシングでほこりを落とす: 毛の流れに沿ってブラシをかけ、ほこりを落とします。流れは帽子によって違うので、なでて確かめてから。
- 雨に濡れたら押さえて拭く: フェルトは水に弱く、変形しやすい素材です。乾いたタオルでやさしく押さえて水分を取り、形を整えて風通しのよい日陰で乾かしましょう。ドライヤーは変形の原因になるので避けてください。
- 脱ぐときはつばを持つ: クラウンのくぼみをつまむと、型崩れの原因になります。
- しまうときは防虫と湿気対策を: 動物性の繊維なので、収納時は防虫剤を。湿気の少ない場所で、形を崩さないように保管します。
素材ごとのお手入れは、帽子のお手入れ方法で詳しくまとめています。
まとめ
はじめてなら丸みのある形を、色は手持ちのアウターに合う一色を。深くかぶりすぎず、小物を控えめにすれば、気取った印象もやわらぎます。
コートを出した朝に、ハットもひとつ手に取ってみる。そこから始めてみませんか。イチヨンプラスで、長く付き合えるお気に入りの一点を見つけてみてください。


